会員の皆様へ
4月から暖かい日が続き、稲の苗も元気に育っていますが、会員の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

今年は雪が少なかったので、圃場の乾きも早く、肥料播き・耕耘・整地・代掻きと、作業は順調に進んでおりますが、稲作の他に玉ねぎを45ヘクタールも植えたため、春の農作業はいつもより忙しくなっております。昨年は春も寒かったため、玉ねぎの生育は悪かったのですが、玉ねぎはこれからが病気と雑草との戦いになり、ほっとする暇がありません。

今年は10連休となっておりますが、米作り農家にとって、5月の連休は、田植えの準備で最も忙しい時期のため、休む暇がありません。4月下旬から代掻きを始め、5月上旬から田植えを始め、下旬には終わる予定にしておりますが、天候や農業機械の故障で予定通りに進まないことも多くあります。

4月には、農道のいたる所で、キジの夫婦が散歩しておりましたが、5月下旬になると、今度は子供連れのキジの親子に出会います。
今年の春は暖かいためか、例年よりキジの数が多いように感じますが、毎日の圃場回りの中で、キジの親子連れに会った時は、「こんにちは」と声をかけてしまいます。

5月中に田植えを終えるようにしておりますが、田植えが終わると今度は、朝と夕方の1日2回は圃場を見回り、小さな稲の生育を見守ります。
毎日圃場を見回っても、稲の生育には変わりないのですが、米作りを始めて50年間、毎日の日課であり、米作り農家の習慣病なのかもしれません。

玉ねぎも5月になると急速に生長し、小さかった苗は、お店に売っている白ネギのように大きくなります。
今年は、玉ねぎの植え付けも様々な条件でテストをしたため、その中で、大きな玉ねぎができることを期待しております。

北海道・九州・四国等の古くからの玉ねぎ産地では、その土地に合った栽培技術が確立しておりますが、秋田ではまだ栽培技術は確立しておりません。そのため、農業試験場や大学、JA等と一緒になって、秋田における玉ねぎの栽培技術の確立に取り組んでおります。
技術を確立するまでは、少ない面積でテストを繰り返せばよいのですが、それではいつまでたっても期待した成果を得ることができませんので、大きな面積に作付をしました。
今年は2年目なのですが、様々な品種を様々な栽培条件の中で育てているため、年間で何年分ものテストをすることができます。

現在の生育状況から見ると、今年は、相当大きな玉ねぎが収穫できるかもしれないと期待しておりますが、この後、病気や雑草被害が考えられるので、少しも安心できません。

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減反が廃止されて2年目の田植えが始まりますが、農業の現場では、減反が廃止されたにもかかわらず、減反の時と同等の面積に大豆が植えられているのには驚きます。
農家の多くは兼業農家のため、減反が廃止になったからといって、すぐに稲を植えるのではなく、今までと同じ作付体系を維持しようとの考え方のようです。

その理由としては、大豆をやめて稲を植えると、育苗ハウス、代掻き、コンバイン、乾燥機等、稲を育てるための設備が必要なだけでなく、農協の指導以上に稲作面積を増やすと、販売で不利な扱いを受けます。そのため、農協の指導通りに、今までと同じ作付体系の農業をやる方が、楽にできるとのことです。
実際問題として、自分の米を自分で売ることのできる農家は少ないので、それも農業経営の選択肢の一つかもしれません。

いずれにしても、農家の高齢化が進み、地域農業の維持が難しい状況になっていることは間違いありませんが、そんな環境の中でも、地域農業の再生に向けて頑張っている若い農家に会うことができました。

その方は30代後半から40代前半の方ですが、条件が不利な場所でも、経営面積を拡大し、自分なりの販売ルートを確保しており、私の若い時を思い出しました。

しかし、1人で頑張っても限界があるので、同じ考えを持っている他の農家と緩やかな連携をすることを勧めました。時代が急速に変化しており、その変化を活かすことで、農業経営を再構築することができる時代が来ております。そのためにも、他の農家との連携も重要になります。
私も今春、村外のいくつかの農業法人の方と連携を進めることができたので、これを良い機会と考え、新しい農業の姿の構築に取り組みたいと考えております。

季節の変わり目、皆様にはお身体にお気を付け頂きたく存じます。

令和元年5月
大潟村あきたこまち生産者協会
涌井 徹

# by a_komachi | 2019-05-01 08:30