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5月は、代かき、田植えと、猫の手も借りたいほど忙しい日々が続きますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。 4月上旬の種播きに始まる育苗管理、耕耘、代かき、そして田植えと、これからが本番になります。田植えは5月7日頃から始め、20日頃に終わりますが、雨が降るとできないので、予定より、4、5日ほど遅くなります。 毎年のことですが、縦150メートル、横170メートルの広さの圃場に、10センチの短い苗を植えるために圃場を均平にする作業は、大変な苦労をします。 20年ほど前は、圃場を均平にするレーザーがなかったため、風が吹くと代掻き水が片方に寄り、高低差がわからなくなり、均平にすることができませんでしたが、今はレーザーがあるため、大きな圃場でも均平にできるようになりました。 レーザーが入ったと言っても、実際の代かきの現場に入ると、水位を見ながらの代かき作業のため、どうしても風の影響を受けることになります。 圃場で、耕耘、代かき、田植えをしながらも、10キロメール離れた育苗ハウスでは苗の管理が続きます。 外気温に合わせて、ハウスの開閉を続け、1日2回の水掛を行いますが、人手が足りない農家は、耕耘、代かきを中止しても、ハウスの開閉や苗の水掛を行わなければなりません。 大潟村の長さ10キロメートルの桜並木は、4月20日頃から満開になり、多くの観光客が訪れますが、農家は田植えの準備のため、ゆっくり花見をすることはできません。 米作り農家は、田植えが手植えから田植え機に替わった時から花見ができなくなりましたが、人手不足により、田植え機がなければ、田植えもできませんでした。 大潟村に入植して52年になりますが、半世紀も経つと農業環境は大きく変わり、手植えが田植え機になり、手刈りがコンバインになり、自然乾燥が乾燥機になりました。 将来の農業は、種籾を直接、圃場に播く直播きから、無人のトラクターやコンバインが主流になるかもしれませんが、春に種を播き、秋に収穫をするという米作りは変わることはないのではないでしょうか。 国の統計によると、2020年と比較して、2030年には農業者人口が3分の1に減少すると言われておりますが、離農した方の農地を活用するために、どのようにするかということが、これからの日本農業の大きな課題になっております。 現状のままでは農業生産力を維持できないので、離農した方の農地を集約し、少ない農業者で農業を続けられるようにしなければなりません。 4月中旬に、県内の農業者の方と、これからの秋田県農業について話し合いましたが、他にも同じようなことを考えている方はいますかと聞いたら、他にもいるとのことでした。 第2次世界大戦が終わるまでは、大きな地主の下にたくさんの小作人がいましたが、戦後の農地解放で、農地は地主から小作人に配分されました。 それからの農業は、農家の後継者が農業の後継者になる時代が70年以上続いてきましたが、これからの農業は、農業に取り組みたい方が、誰でも取り組める新しい時代が始まるのではないでしょうか。 また、そのような時代を迎えることができないと、日本農業は新しい時代を迎えることができなくなるのではないでしょうか。 ガソリンで走っていた自動車が電気で走るようになるだけでなく、大型ドローンを使った空飛ぶ自動車が実用化される時代がきております。 農地は限られた資産のため、耕作放棄地にするのではなく、有効に利用されることで、価値あるものに生まれ変わることができるのではないでしょうか。 私も55年前、農業に取り組んだ時から様々なことに挑戦してきましたが、取り組みたくてもできなかったことがあります。 それは、次の時代に挑戦しようとする若い農業者の支援でしたが、ようやくその環境も整ってきましたので、私が話していることも理解して頂けるようになってきたことを、少しずつですが実感しているところです。 会員皆様にはお身体にお気をつけ頂きたく存じます。 令和4年5月 大潟村あきたこまち生産者協会 涌井 徹
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by a_komachi
| 2022-05-01 08:30
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