会員の皆様へ
秋田県では田植えが終わると、待ちかねたようにたくさんの人がタケノコ採りに山に入りますが、今年もタケノコ採りの人がクマに襲われて亡くなりました。
クマは、山の中だけでなく、住宅の側や通学路にも現れ、先日は、横手市内の公園にまでクマが現れ、2頭、捕獲されましたが、まだ残りのクマが公園内を歩いているとのことで、テレビで放映されておりました。

毎年のようにクマに襲われる被害者が出るのに、どうして危険なタケノコ採りに山に入るのかと不思議に思うかもしれませんが、長年、山菜採りに行っている人は、タケノコやキノコのシーズンになると、我慢できずに山に入ってしまうようです。
昨年は、同じ場所で3人の方が続けてクマに襲われたことがありましたが、その時に人間を襲ったクマが、今でも生きているとのことです。

昔は、猟師に追われたり、鉄砲で撃たれた経験があるクマが多く、子グマも親から教えられるのか、人間が来ると警戒をして、人間の側には近づかなかったそうですが、今のクマは、第3世代のため、猟師に追われた経験がなく、人間が来ると近寄って来るとのことです。

以前、タケノコ採りに行く時は、腰に鈴をつけたり携帯ラジオを鳴らして、クマに人が近くにいることを教えて、突然、クマに出会わないようにしましたが、今のクマは人が怖くないので、鈴の音がしたり人の話し声がすると、逆に近づいてくると言われております。

秋田には昔から、「マタギ」というクマ等の野生動物を捕える職業がありましたが、今ではその数はとても少なく、趣味で猟をする人も少なくなってしまい、クマ等の野生動物は山の中を自由に歩き回っております。特に昨年は、餌になる木の実が多かったため、今年はたくさんの子グマが生まれたとのことです。

私も、タケノコやキノコ採りが大好きで、以前は毎年春から秋に、10回以上、山に入っておりましたが、10年ほど前から一度も入っておりません。若い時は思いませんでしたが、年を取ってからクマに食われて死んだらたまらないと思うようになり、タケノコ採りはせずに、道の駅で売られているタケノコを買うようにしております。

先日、山間部の農村を回っているうちに、狭い林道に入り、車を道路脇に落としてしまいました。林道の入口には大きなクマの看板が立っており、クマが出るかもしれないので歩いて帰るわけにもいかず、困っているところに軽トラックが来ましたが、黙って通り過ぎて行きました。

携帯電話は通じましたが、自分のいる場所が分からず警察に連絡しようと思っていたところへ、幸いもう1台軽トラックが来たので、道路をふさいで事情を話し、山の下まで乗せて頂きました。

それからJAFに連絡をし、車を引き上げに来てもらいましたが、そこはやはりクマがたくさん出る場所とのことでした。
もう1台の軽トラックが来なかったら、車から出ないで助けを待とうと思いましたが、夜に車ごとクマに襲われたらどうなるか分かりません。その後も毎日のように、新聞やテレビでクマのニュースが出ております。

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秋田県は20年後には人口が100万人から70万人になると言われておりますが、主な人口減少は農村部になるので、クマの数は増えるだけなのではないでしょうか。
秋田県は、人口減少に対応するため、移住政策を最重点にしておりますが、これだけクマの数が多いと移住する人がいるのか心配になります。

今年の5月は暖かかったのですが、6月は低温の日が続き、稲の生長も例年に比べて遅れているとのことですが、何年経っても稲作りは一年生です。

水田に植える稲は、自然界の中で育てる作物のため、その年の天候に左右されます。特に影響を受けやすいのが、幼い穂が急速に生長して同じ大きさになる穂ばらみ期の低温と、出穂期と収穫期の台風です。

穂ばらみ期の低温は花粉の受粉能力に障害を与え、出穂期の風は開花した籾を傷つけ、収穫期の台風は収穫直前の稲を倒伏させ、収量の減少と品質の劣化を招きます。

7月は、稲が草丈を作る栄養生長期から、収量を決める栄養生長期に入ります。
稲を外側から見ているだけではわかりにくいのですが、稲の茎の中では、穂を作るための籾や、おしべやめしべが育っており、この時期が低温に最も弱い時期であり、収量にも大きな影響を与えます。

田圃の作業は、畔の草刈りをしたり、田圃の中に溝を掘り、田圃の排水を良くする作業が中心になります。
稲の長さも、8月上旬の出穂に合わせて急速に伸び、田圃の中にいる野鳥達も、足の短い順に田圃の外に出なければならず、最後まで残るのは、アオサギとシラサギです。
どんなに世界が変わろうとも、自然の中の米作りは、自然界の一員としての営みです。

これから夏本番、会員の皆様にはお身体に気を付けて頂きたく存じます。


平成29年7月
大潟村あきたこまち生産者協会
涌井 徹


# by a_komachi | 2017-07-01 08:15